ほとんど知られていない、ローンと分割の違いって?
皆さんは「ローン」と「分割」の違いをご存知ですか?普段は何となく理解しているような気がしていても、いざ考えてみるとよくわからない…。実際に利用したことがなければいまいちピンとこないということもあるかもしれませんね。ローンの意味とは…そして、分割との違いとは?それをこれから簡単にご説明しましょう!
そもそもローンとは、英語で貸付金のことを意味していますが、この貸付そのものをローンと呼びます。つまりは融資をするということなので、お金を貸すということです。ローンを利用するのであれば、それは借金をするということになります。銀行や消費者金融などが提供している商品で、住宅や自動車を買うような場合や、消費者金融で借金をするイメージをお持ちの方は多いかもしれませんが、個人向けのカードローンを扱う信販会社も増えてきました。住宅や自動車を買う際にはこのローンを組む方がほとんどだと思いますが、これは分割払いで購入したというわけではないのです。月々少しずつ支払いをすることから、分割での購入との違いがわかりにくいかもしれませんね。ですが、第三者機関がそのお金を立て替えてくれているという状態なわけですから、実際にはこの第三者機関に返済をすることになります。この点が分割での購入と異なる点です。
次に、分割についてです。これは文字通り「分割して返済をすること」で、一度に返済せず分割して返済をすることを意味しており、分割払いの略称となります。また、月賦とは月賦販売の略称であり、同様に一括で支払わずに分割で支払うことや月々の支払金を意味しているのです。分割払いでは商品を売ってくれた先にお金を支払うことになります。
ローンと分割の意味、そして違いはここまででおわかりいただけたかと思います。ローンも分割も、月々少しずつ支払っていくことには変わりありませんが、ローンは融資や借金という意味合いが強く、商品を売ってくれたところとは別のところにお金を払うことになります。これに対して分割は商品を売ってくれたところに支払うものであり、月賦販売のことや月々の支払金そのものを指すこともあるということです。それでは、なぜ住宅や自動車を分割払いで購入しないのでしょうか?
売買をする際の基本は、お金と物を同時に交換する「同時履行」です。そのため、分割払いは例外になってしまいます。住宅を例にしましょう。どのような物件でも、販売をするためにはまず現物を手に入れなければなりませんが、そのためには高額な仕入れを行わなければなりません。土地を買ったり、家を建てるためには、高額な支払いを一括でする必要があります。そのため、物件を販売する際にはすぐに現金が手に入らないと困るわけですが、これを分割払いにしてしまっては販売する側も商売をやりにくくなってしまうというわけです。普通に考えて現金での一括払いで住宅を買える人はいませんよね。こんな場合、ローン会社が間に入ることで現金での一括払いを可能にしてくれます。販売する側はリスクを減らし、購入する側はローン会社に分割での返済を行うことにより、高額な買い物をしやすくなるのです。お金を扱い、その貸し借りを行うことを専門としているローン会社であれば、返済が終わるまでの長期間に渡って、その支払いや借金を管理することができます。販売する側にはできなかったその管理を行うことで、購入する側は高額な住宅を無理なく手に入れることができるというわけなのです。