住宅ローンと火災保険が関係あるってホント?火災保険のキホン

住宅ローンにとって大切なのは、金利だけではありません。実は、火災保険と住宅ローンは切っても切れない関係にあるのです。皆さんはご存知でしょうか?家を買うなら、忘れてはならないのが住宅ローンと火災保険なのです。今回は、その重要な役割についてご説明します!

住宅を購入するために住宅ローンを組むと、銀行がその土地と建物を担保に融資を行います。そのため、もしもその住宅が火災で消失してしまうようなことがあれば、銀行は担保の一部を失ってしまうことになるのです。そうならないために、銀行が住宅ローンを融資している間は火災保険に加入することを条件とするところは多く、万が一の事故を防ぐことができるようになっています。これは、長い期間に渡って組むことがほとんどである住宅ローンならではの問題で、通常は20年~35年といった長期をカバーする火災保険は、住宅ローン対応の火災保険と呼ばれることが多いようです。土地を担保にできず建物だけを担保に融資を行う場合、その建物が火災で焼失してしまうと銀行は担保を失ってしまいます。そのため、建物のみを担保とする場合は質権を設定することになりますが、これは保険の契約者が保険料を支払った後、保険証券は質権者である銀行へと送られ、その写しが契約者へ送られるというもので、万が一の保険金も銀行に支払われるというものです。ただし、実際には銀行と保険会社とのやり取りにより、契約者へ損害保険金として支払われたものを修繕などに充てるというケースが一般的となっています。火災保険については必須ではないという場合もありますが、メリットとしては長期の契約により割引率が高くなることです。保険料を毎年払う年払いという方法に比べ、10年や20年といった長期間の保険料を一括して払う方法を長期一括払いといいます。5年の長期一括払いでは、1年の保険料×4.3の計算となり、各保険会社が市場を考慮して決めるものですが、10年、20年と長期の加入により更に割安となるのです。上記の4.3という数字は、4.3年分という意味で、これを長期係数と呼びます。

このようにして火災保険を契約する場合、保険の目的はその建物と家財となるわけですが、建物が消失してしまった場合のためにも、借入額ではなく住宅の評価額を契約金額とするのがいいでしょう。もし借入額を契約金額としてしまったら、万が一の際に住宅ローンを返済することはできても、同程度の住宅の建て直しや購入ができなくなってしまいます。頭金を入れているような場合には注意してください。また、あくまで建物のための保険であるため、日常生活に必要な物や洋服は新たに買わなければなりません。もしもの時のために、家財の保険を用意しておくことも必要かもしれませんね。

最後に、大事な注意点として考慮しなければならないのが地震のあった時です。地震保険では、一般的に火災保険の補償額の半分が上限となっており、地震で住宅が全壊した場合は保険金だけではまかないきれなくなってしまいます。ただし、地震が原因の火災であった場合は火災保険ではなく、地震保険により保険金が支払われることになるので、火災保険だけあれば安心というわけではありません。これらは、購入する住宅の構造や材質、地域などによっても掛け金が変わってきます。

住宅ローンと火災保険の関係は理解できたでしょうか?保険の目的や掛け金とのバランスもよく考えて設定していく必要があるでしょう。

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