貸付け金の早期完済でみんなが知りたいこと

住宅ローンや自動車ローンの負担を減らすために考えられるのは、何といっても「繰り上げ返済」なのではないでしょうか。貸付け金を早期に完済することは、大変有効な節約法の一つです。繰り上げ返済を行い、60歳になる前にローンを完済するのが理想的な計画といえます。定年後もローンが続いてしまうような状態は、生活の大きな負担になってしまうからです。収入が大幅に減ることが予想される退職後の問題を一つでも減らすために、ローンの繰上げ返済を考えているという方は少なくないのではないでしょうか。

住宅ローンはその金額、借入期間、金利によって毎月の返済額が決まってきます。月々の支払いの中身というのは、元金返済分と利息です。毎月の元金返済分とは別に、プラスして返済していくことでローン残高を減らし、計画していたよりも早く払い終わろうというのが繰り上げ返済で、元金を減らしたことによりその利息が減るという効果があります。ですから、繰上げ返済は早くに行うほど効果があり、その時期が遅くなるほど効果は減少してしまうのです。

いいことばかりに見える繰上げ返済ですが、勿論デメリットもあります。まず、繰り上げ返済は手元に今あるお金を使ってしまうわけですから、急にまとまったお金が必要な事態が発生する可能性を考えれば危険です。預貯金とのバランスを考えて行わなければなりません。
貯金をローンの返済に全て使ってしまうのはかんがえものです。万が一の時のためのお金だけではなく、教育費のようなものは繰り上げ返済に充てずに、貯金として確保しておくのがいいでしょう。これを間違えると「繰り上げ返済貧乏」になってしまい、貯金の少ない苦しい生活を送ることになります。生活資金ではなく、余剰資金で繰り上げ返済を行うのが賢いやり方なのです。

また、住宅ローン控除を受けている場合は還付される金額が減ってしまう場合もあります。住宅ローン控除は年末のローン残高が対象になるため、もしも12月に繰り上げ返済すれば、ローン残高が減ることにより控除額も減ってしまうのです。そのまま手元に戻ってくる住宅ローン控除は、還付金額が減るとダイレクトにお財布に響きます。ただし、繰上げ返済を来年の初めまで遅らせた場合には利息の負担を軽くする効果も減ってしまうのですが、住宅ローン控除の金額と計算してどちらが得になるか考えてみるといいでしょう。借入金額や金利、期間、繰上げ返済で支払う額などにもよりますが、一般的には年末よりも年初の方がプラスになるといわれています。

繰り上げ返済の方法は一つだけではありません。一般的なのは「期間短縮型」と呼ばれるもので、繰上げ返済をすることで返済期間を短くし、その分の金利がお得になるという方法です。よく耳にするやり方かと思いますが、こちらは預貯金に余裕がある状態で行うのが効果的でしょう。繰上げ返済にはもう一つあって「返済額軽減型」というものです。こちらは、繰上げ返済をすることで返済期間を短くするのではなく、毎月の支払額を少なくしていくもので、期間短縮型に比べてお得感じは薄れるかもしれませんが、月々の支払いがぐっと楽になってきます。そのため、預貯金に余裕のない状態で行うなら、こちらの方が効果的であるといえるでしょう。

勿論、毎月の支払いにまったく余裕がないのであれば、無理をして繰り上げ返済をする必要はありません。繰り上げ返済は使い方によって、家計を楽にも苦しくもしてしまいますので注意してください。

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