転職と融資の疑問を今すぐ解決、組むなら転職前と後どっち
自身の状況に応じて、ローンの疑問は様々ですが、その中でもよく見かける問題の一つに「転職後だと融資を断られちゃうかも?」という相談があります。銀行などが扱うローンでは、勤続年数に3年の条件を設けたものが多く、自営業では5年以上必要であったりします。転職後では、何年も待たないとローンが組めない…。それなら、今のうちに組んでおいてから転職しようという考えですね。中には、今よりも収入が上の会社への転職によりローンの支払いが楽になるかも…なんて考えの方もいらっしゃるかもしれません。でも、ちょっと待ってください!その考え方はちょっとキケンかもしれませんよ。今はまだ想像もつかないかもしれませんが、住宅ローンは返せるかどうかということの方が、審査に通って融資を受けられるかどうかということの方が大切なことなんです。住宅ローンの完済というと、通常は20年以上先のことになります。転職前に決めてしまうのはおすすめできない理由があるのです。
住宅ローンの審査の目的は、あなたの信用性を判断することにあります。職業や勤続年数、年齢や収入といったことは勿論大切なポイントではありますが、それだけではなく、総合的な返済能力が重視されることになるのです。転職により収入は増える場合もありますが、減ってしまう場合もありますし、会社のその後の業績についてもなかなか見通しは立たないでしょう。長期で勤務が可能なのかといったことも、実際に働き始めて見なければ判断がつきませんし、あなたのがんばりや決意といったものだけではどうしようもない部分も多々あります。勤務先や勤務する上での状況、またそれに付随する家計の状況を把握してから、長期のローンを組むべきなのではないでしょうか。将来のことが予想できない不安定な状態での住宅取得は危険です。実際にローンを返していくために、よく検討するようにしてください。
それでは、実際に転職をしたり、職を失ってしまうことで契約の見直しが行われてしまうことはあるのでしょうか。そもそも、転職の自由は憲法で保障された権利の一つですし、それを理由に債務不履行と判断をすること自体が違憲である可能性が高いのです。契約通り、きちんと返済を行っているのであれば、債務不履行に問われることはまずないといえるでしょう。また、ローンの審査を行った時よりも収入が下がってしまった場合も同様です。住宅ローンを組んだ後に、転職や収入の減少、職を失った場合についても、契約の見直しや解除が行われることはありません。そういった諸々の事情を想定し、抵当権が設定されているわけですから、問題となることはないでしょう。ただし、勤務先の変更といった内容を報告することは忘れないでください。契約書通りの返済についても同じことが言えますが、現状を正直に申告することは当然必要となってきます。
勤続年数についての条件を設けていない住宅ローンも存在しますが、融資額を決定するのは転職後の収入となりますので、数か月分の給与明細が必要となります。また、転職後の勤続期間が何ヶ月程度あれば審査可能なのかどうかというのは、やはり各社異なりますから、必要であれば先に調べておくのがいいでしょう。また、貯蓄を増やしてから組む方が、結果的にはトータルでのローンの支払い金額を低くおさえることができますし、万が一の事態や想定外の出来事が起きた時にも余裕を持って対処することができるようになります。転職後、ローンが組めない3年の間に頭金の貯金をするなどして、準備期間として過ごすのも悪くないのではないでしょうか。